ゲーム実況に必要なPCスペック|配信と録画で違う要件
結論
必要なスペックは「何fpsで何を同時に動かすか」で決まります。ハードウェアエンコーダ(NVENC・AMF・QSV・Apple VT)を使えばエンコードの負荷はGPU内の専用部分へ移り、CPUの負担は軽くなります。ノートPCで起きやすいのは、OBSとゲームが別々のGPUで動いてキャプチャできない問題です。買い替えの前に、どこが足りていないかを切り分けてください。
- 出典
- 4件
- うち公式 4 件
- 表・図解
- 8個
- 独自に作成
- 数値の記述
- 15箇所
- 単位つきで明記
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- 4本
- サイト内
目次
結論:負荷のかかる場所を先に決める
「実況用PCのスペック」を一括で語ることはできません。エンコーダの選び方で、CPUとGPUのどちらに負荷が寄るかが変わるからです。
| 選択 | 負荷が寄る場所 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| ハードウェアエンコーダ(NVENC / AMF / QSV / Apple VT) | GPU内の専用部分 | ゲームと配信を1台でやる。CPUを空けたい |
| ソフトウェアエンコーダ(x264) | CPU | CPUに余力がある。細かく画質を追い込みたい |
OBS公式の説明はこうです。
ハードウェアエンコーダは、GPU内の専門コンポーネントにワークロードをオフロードし、より効率的にビデオエンコーディングを実行します。
重要なのは「GPU内の専用部分」という点です。 ゲームの描画に使う部分とは別なので、ゲームのフレームレートへの影響は小さくなります。
この図のどこが詰まっているかで対処が変わります。買い替えの判断も、まずここを特定してからです。
エンコーダの選択肢
OBSが対応しているハードウェアエンコーダです。
| エンコーダ | 対応OS | 目安 |
|---|---|---|
| NVIDIA NVENC | Windows / Linux | GeForce 750 Ti 以上。第6世代NVENC以降が推奨 |
| AMD AMF | Windows / Linux | 対応GPUは公式ドキュメントで要確認 |
| Intel QSV | Windows / Linux | Core i 2xxx 以上(Haswell以上が推奨) |
| Apple VT | Apple Silicon / Intel Mac | 対応形式は機種による |
画質についての公式の見解も押さえておいてください。
モダンなハードウェアエンコーダは、最小限のパフォーマンス影響で非常に優れた動画品質を提供します。
同時に、早期世代のハードウェアエンコーダは品質が劣るとも明記されています。
「ハードウェアエンコードは画質が悪い」は世代の話
OBS公式はモダンなハードウェアエンコーダを「最小限のパフォーマンス影響で非常に優れた動画品質を提供」と説明し、品質が劣るのは早期世代だと明記しています。NVIDIAについては第6世代NVENC以降が推奨されています。手持ちのGPUがどの世代かを確認せずに、評判だけでx264を選ばないでください。
ノートPCで起きる「2つのGPU」問題
ノートPCや複数GPU搭載機で頻発するトラブルです。買い替えでは解決しません。設定の問題です。
| GPU | 主な役割 |
|---|---|
| 統合GPU(iGPU) | デスクトップの2D処理 |
| 独立GPU(NVIDIA / AMD) | 3Dアプリ・ゲーム |
OBS公式が挙げている不整合はこれです。
OBS Studioが統合GPU上で動作している場合、独立GPU上で実行されるゲームをGame Captureでキャプチャできません。
さらに、OBSが独立GPU上で動いていない場合はパフォーマンス問題が起きうること、まれにゲームのクラッシュにつながることも記載されています。
配信と録画で効く場所が違う
同じPCでも、配信と録画では制約が変わります。
| 要素 | 配信 | 録画 |
|---|---|---|
| 上り回線速度 | 上限を作る(安全上限は上り速度の70%) | 関係しない |
| エンコード性能 | 効く | 効く |
| 保存先の空き容量 | 関係しない | 効く |
| 送出の遅延 | 効く | 関係しない |
回線が細いせいで配信の画質を上げられない場合でも、録画投稿ならその制約は外れます。 1080p60を12Mbpsで録ると1時間あたり約5.4GBです。
推奨ビットレートも用途で違います。YouTubeの1080p60はライブ配信もアップロードも12Mbpsですが、1080p30はライブ10Mbps・アップロード8Mbpsと逆転します。詳しくは録画投稿の設定にまとめました。
自分の回線での上限は配信ビットレート計算機で算出できます。
買い替える前に切り分ける
「配信が重い」の原因はPCとは限りません。 OBS公式が挙げている対処は、買い替え以外にもあります。
| 対処 | 内容 |
|---|---|
| OBSを管理者権限で実行 | Windowsに対してGPU容量を予約させられる |
| ゲームのフレームレートを制限 | モニターのリフレッシュレート(多くは60Hz)に合わせる |
| ゲーム側のグラフィック設定を下げる | GPU負荷を直接減らす |
| 出力解像度を下げる | 設定 → 映像 |
| 出力フレームレートを下げる | 60fpsが限界なら30fpsへ |
| シーンの複雑さを減らす | ブラウザソースやフィルタを減らす |
症状別の切り分け手順は配信が落ちる・カクつく原因と対処で扱っています。エンコード過負荷・回線不足・描画ラグは対処がまったく違います。
家庭用ゲーム機を扱う場合の要件はキャプチャーボードの選び方を参照してください。
買い替え前のチェックリスト
PCを買い替える前に確認する9項目
- 症状を切り分けた(エンコード過負荷/回線不足/描画ラグのどれか)
- 回線が原因ではないことを確認した(上り速度の70%を超えていないか)
- ハードウェアエンコーダ(NVENC等)を使う設定になっている
- 使っているGPUのエンコーダ世代を確認した
- 複数GPU環境なら、グラフィックス設定でOBSのGPUを指定した
- キャプチャ方式に合ったGPU設定になっている(ゲーム/ウィンドウは高性能、画面は省電力)
- OBSを管理者権限で実行してみた
- ゲーム側のフレームレート制限とグラフィック設定を試した
- 出力解像度・フレームレートを1段下げて改善するか確認した
よくある失敗
「配信が重い=PCが非力」と決めつける
回線不足でもフレーム落ちは起きます。原因が違えば対処も違います。
ハードウェアエンコードを画質が悪いと決めつける
公式は早期世代についてそう述べていますが、モダンな世代は「非常に優れた動画品質」としています。
複数GPU環境で設定をしない
OBSとゲームが別GPUだとキャプチャできず、まれにゲームがクラッシュします。
キャプチャ方式とGPU設定が逆になっている
ゲーム/ウィンドウキャプチャは高性能、画面キャプチャは省電力です。
録画にも回線速度が要ると思う
録画は送出しません。効くのは保存容量とエンコード性能です。
まとめ
- ハードウェアエンコーダは負荷をGPU内の専用部分へ移す。CPUは軽くなる
- 対応は NVENC / AMF / QSV / Apple VT。NVIDIAは第6世代NVENC以降が推奨
- 「ハードウェアエンコードは画質が悪い」は早期世代の話
- ノートPCの複数GPU環境では、OBSとゲームが別GPUだとキャプチャできない
- グラフィックス設定はゲーム/ウィンドウキャプチャ=高性能、画面キャプチャ=省電力
- 配信は上り回線が上限、録画は保存容量が効く
- 買い替え前に症状の切り分けと設定の見直しを行う
よくある質問
CPUとGPUのどちらを優先すべきですか?
ハードウェアエンコーダは画質が悪いのではないですか?
ノートPCでゲームをキャプチャできません
配信と録画でスペック要件は違いますか?
高いPCを買えば配信は安定しますか?
出典
本文中の数値・仕様は以下の一次情報を確認して記載しています。
- 公式 Hardware Encoding - OBS Knowledge Base (OBS Project) 2026年8月13日確認
- 公式 GPU Selection Guide - OBS Knowledge Base (OBS Project) 2026年8月13日確認
- 公式 Encoding Performance Troubleshooting - OBS Knowledge Base (OBS Project) 2026年8月13日確認
- 公式 ライブ エンコーダの設定、ビットレート、解像度を選択する - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認