配信が落ちる・カクつく原因と対処|症状別の切り分け手順
結論
配信の不具合はまず3つに分類します。「エンコード過負荷」はPCの処理能力不足、「ネットワークによるフレーム落ち」は回線不足、「描画ラグ」はGPU不足です。OBSの統計情報でどれに当てはまるかを確認してから対処してください。原因を特定せずにビットレートだけ下げても直りません。
- 出典
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目次
まず症状を3つに分類する
不具合の原因は大きく3つです。どれに当てはまるかを先に確定させてください。 ここを飛ばして設定をいじると、関係のない項目を変えて時間を失います。
| 分類 | 何が起きているか | 主な原因 | 効く対処 |
|---|---|---|---|
| エンコード過負荷 | 映像を圧縮する処理が間に合わない | CPU・GPUの処理能力不足 | fps・解像度を下げる、ゲーム側の負荷を下げる |
| ネットワークによるフレーム落ち | 圧縮したデータを送りきれない | 上り回線速度の不足・変動 | ビットレートを下げる、有線化する |
| 描画ラグ | OBSが映像を合成しきれない | GPU不足、シーンが複雑すぎる | シーンを単純にする、フィルタを減らす |
分類の判断は次のフローで行います。
エンコード過負荷への対処
これはPCが映像を圧縮しきれていない状態です。ビットレートを下げてもほとんど改善しません。
OBSの公式ガイドは、GPU負荷が高い場合の対処を次の順で挙げています。上から順に試してください。
- OBSを管理者として実行する(Windows)
- GPUを使う他のプログラムを終了する
- ゲームのフレームレート上限をモニターのリフレッシュレートに合わせる
- ゲームのグラフィック設定を下げる
- ゲームキャプチャのマルチアダプター互換性を無効にする(Windows)
- Windowsのゲーム機能を無効にする
- 出力設定を下げる
- シーンを単純にする
公式が挙げている負荷の要因は、GPUの過負荷またはCPUとGPUのボトルネック、他のプログラムによるGPU使用、ゲームのフレームレート無制限、ゲームのグラフィック設定が高いこと、ソースの多い複雑なシーン、重いフィルタの多用、ブラウザソースの使いすぎです。
特に「ゲームのフレームレート無制限」は見落とされやすい項目です。 ゲームがGPUを使い切ると、配信の圧縮処理に回す余力がなくなります。配信中はゲーム側で60fpsなり144fpsなりの上限を設定してください。
それでも解決しない場合は、配信のfpsを60から30へ、または解像度を1080pから720pへ下げます。どちらを下げるべきかは解像度とfpsの決め方を参照してください。
ネットワークによるフレーム落ちへの対処
こちらは圧縮は間に合っているが、送信が間に合っていない状態です。対処はビットレートを下げるか、回線を安定させるかの2つです。
| 確認項目 | 判断基準 | 対処 |
|---|---|---|
| 映像+音声の合計ビットレート | 上り回線速度の70%以内か | 超えていればビットレートを下げる |
| 接続方法 | 有線か無線か | 無線なら有線に変更する |
| 同時に通信している機器 | 他の端末が大量に通信していないか | 配信中は通信を控える |
| レート制御 | CBRになっているか | VBRならCBRへ変更する |
| 時間帯 | 混雑時間帯に集中していないか | 時間帯を変えて速度を再測定する |
レート制御について、Twitchは公式にすべての配信者へCBRを推奨しています。理由として、VBRでは一時停止やキャラクター選択画面などの動きが少ない場面でビットレートが大きく下がり、動きが激しくなった瞬間に跳ね上がるため、多くの回線でバッファリングやフレーム落ちを引き起こすと説明しています。
またTwitchは、回線とTwitchの間に問題があるとき、あるいは回線に対して高すぎるビットレートで配信しようとしたときに、映像データが届かない状態が起きると説明しています。この状態になると、低画質で視聴している人も含めて全員に遅延とバッファリング、切断が発生します。
自分の回線でどこまで出せるかは配信ビットレート計算機で確認できます。 適切なビットレートの求め方は配信ビットレートの決め方にまとめています。
描画ラグへの対処
エンコードも送信も間に合っているのに映像がカクつく場合、OBSが映像を合成する段階で詰まっています。
- ソースの数を減らす。使っていないソースは削除する
- フィルタを減らす。特に色調補正やシャープネスは負荷が高い
- ブラウザソースを減らす。1つずつがブラウザ1つぶんの負荷になる
- ネットワークドライブ上のファイルをソースにしない
- 録画の保存先を遅いドライブにしない
OBSの公式ガイドは、GPUを過剰に要求する原因として、複雑なシーン構成や過剰なフィルタ、ネットワークドライブからのメディア読み込み、遅いディスクへの書き込みを挙げています。
キーフレーム間隔が原因のことがある
映像は乱れていないのに「視聴者が配信を開いてから映像が出るまで遅い」「画質の切り替わりが遅い」という症状の場合、キーフレーム間隔が原因のことがあります。
キーフレームは映像を1枚の完全な画像として送るフレームで、視聴者側はここを起点に再生を始めます。間隔が長いと、再生開始や画質切替のたびに次のキーフレームまで待つことになります。
| 設定値 | 起きること |
|---|---|
| 2秒 | YouTube・Twitchとも公式の推奨値。最も安定する |
| 4秒 | YouTubeの上限。再生開始がやや遅くなる |
| 4秒超・自動 | 推奨外。再生開始の遅延や画質切替の不具合につながる |
YouTubeは「2秒を推奨、4秒以下」と明記しています。Twitchも1080p60・1080p30・720p60・720p30のすべての推奨設定でキーフレーム間隔を2秒としています。エンコーダの設定が「自動」や「0」のままになっていないか確認してください。
事前に防ぐためのチェック
配信前に次を確認しておくと、本番中のトラブルはかなり減ります。
| タイミング | 確認すること |
|---|---|
| 配信の数日前 | 実際に配信する時間帯に上り回線速度を測る |
| 配信の前日 | 本番と同じ設定・同じゲームで10分以上のテスト配信を行う |
| 配信の直前 | GPUを使う他のアプリを終了する |
| 配信の直前 | ゲーム側のフレームレート上限を確認する |
| 配信中 | 統計情報でフレーム落ちの割合を監視する |
YouTubeも公式に、配信開始前のテストを推奨しており、実際の配信時の音声や動きに近い状態でテストすることを求めています。静止画面でのテストでは、動きの激しい場面で起きる問題を見つけられないためです。
配信を始める前に確認する9項目
- 実際に配信する時間帯に上り回線速度を測った(時間帯で変わるため、昼に測った値は使えない)
- 本番と同じ設定・同じゲームで10分以上のテスト配信を行った
- テストは静止画面ではなく、動きのある場面で行った
- テスト中に音声も実際に出して確認した
- GPUを使う他のアプリ(ブラウザの動画再生を含む)を終了した
- ゲーム側のフレームレート上限を確認した
- OBSの統計情報を開き、フレーム落ちの割合を見られる状態にした
- 回線が有線か、無線ならその日の変動を把握している
- 不具合が出たときにどの分類から確認するか(過負荷/回線/描画)を決めてある
最後の1項目がいちばん効きます。 本番中に落ち着いて切り分けられるかどうかは、事前に手順を決めてあるかで決まります。
まとめ
- 不具合はエンコード過負荷 / 回線不足 / 描画ラグの3つに分類してから対処する
- エンコード過負荷にビットレート調整はほぼ効かない。fps・解像度・ゲーム設定を下げる
- ゲームのフレームレート無制限はGPUを使い切る。配信中は必ず上限を設定する
- 回線不足には合計ビットレートを上り速度の70%以内に収める。無線は有線にする
- レート制御はCBR。VBRは動きの変化で配信が乱れる原因になる
- 本番と同じ条件で10分以上のテスト配信を行ってから本番に臨む
よくある質問
フレーム落ちが何%までなら許容できますか?
有線と無線でそんなに違いますか?
ビットレートを下げれば全部解決しますか?
CBRとVBRのどちらが安定しますか?
出典
本文中の数値・仕様は以下の一次情報を確認して記載しています。
- 公式 Encoding Performance Troubleshooting - OBS (OBS Project) 2026年8月12日確認
- 公式 Broadcasting Guidelines - Twitch Help (Twitch) 2026年8月12日確認
- 公式 ライブ エンコーダの設定、ビットレート、解像度を選択する - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月12日確認