インディーゲームの実況|ガイドラインが「無い」と「対象外」は違う
結論
ガイドラインが見つからないゲームを扱うとき、状態を3つに分けて考えてください。ガイドラインが公開されている、ガイドライン自体が存在しない、そしてガイドラインはあるがそのタイトルが対象外だと明記されている、の3つです。3つ目は実在します。フロム・ソフトウェアは自社が発売した一部タイトルについて著作権を保有しておらずガイドラインの対象外であり、各著作権元への確認が必要だとしています。大手でも自社タイトルの権利を持たない場合があるということです。インディータイトルはパブリッシャーとデベロッパーが別なことも多く、同じ構造が起こります。
- 出典
- 4件
- うち公式 4 件
- 表・図解
- 6個
- 独自に作成
- 数値の記述
- 18箇所
- 単位つきで明記
- 関連記事へのリンク
- 4本
- サイト内
目次
結論:状態は3つある
「ガイドラインを確認する」は、見つかったかどうかの二択ではありません。
大手でも「自社タイトルなのに対象外」がある
最も見落とされやすい状態です。フロム・ソフトウェアのガイドラインには次の記載があります。
Bloodborne、Demon's Souls、Déraciné など一部タイトルは著作権を保有しておらずガイドラインの対象外
発売元と著作権者は一致しないことがある
会社のガイドラインを読んで条件を満たしたつもりでも、そのタイトルには適用されていない場合があります。上の例では各著作権元への確認が必要とされています。ガイドラインの「対象範囲」まで読んでください。 インディータイトルでは、開発が個人やごく小規模なチームで販売だけ別のパブリッシャーが担う構造がよくあり、同じことが起こります。
「許諾がある」と「禁止されていない」は違う
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの記載は、この違いを理解する良い例です。
ゲームが対応している機能を使い、対応しているオンラインサービス、ウェブサイト等へアップロードすることを許諾致します。その他のウェブサイト等でのご使用はご遠慮ください
ここから読み取れることを整理します。
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| シェア機能でのアップロード | 許諾されている |
| キャプチャーボード等で撮影した動画 | 明示的な許諾がない |
| 収益化の可否 | 記載がない |
| 対象タイトル | SIEが権利を有するゲームタイトルのみ。他社が権利を持つPlayStation向けタイトルは対象外 |
| 個別の問い合わせ | 回答しないと明記されている |
「不可」と書かれていない項目が3つあります。 しかしそれは許諾されているという意味ではありません。書かれていないことは、判断材料が無いということです。
許諾が無いときに残るのは原則だけ
ガイドラインは、権利者が「ここまでは許す」と示した文書です。それが無い場合、判断の土台は著作権法そのものに戻ります。
| 対象 | 保護期間 | 条文 |
|---|---|---|
| 映画の著作物 | 公表後70年 | 第54条第1項 |
| 一般の著作物 | 著作者の死後70年 | 第51条第2項 |
| レコード(原盤) | 発行の日の属する年の翌年から70年 | 第101条第2項第2号 |
ゲーム映像は映画の著作物として扱われる場面が多く、その場合は公表後70年です。2010年に公表されたタイトルなら2080年まで保護が続く計算になります。「もう古いから」は理由になりません。 条文単位の整理はゲーム実況と著作権にまとめています。
会社名で探して見つからないとき
探し方を変える余地があります。 収録15社の形式を並べると、探す場所が4通りあることが分かります。
| 形式 | 会社数 | 探す場所 |
|---|---|---|
| 会社全体の包括ガイドライン | 5社 | 会社の公式サイト |
| 包括+タイトル個別(個別が優先) | 3社 | 公式サイトとタイトルのサイト |
| 包括+許諾タイトル一覧 | 3社 | 公式サイトの一覧に自分のタイトルがあるか |
| タイトル個別のみ | 4社 | タイトルの公式サイトやニュース欄 |
アトラスの場合、タイトルごとの「動画・生放送等配信ガイドライン」が公式サイトのニュースとして公開される形です。会社名で検索して見つからなくても、タイトル名で探すと出てきます。
「無い」と結論する前に、少なくともこの4通りを試してください。 各社の記載と確認日はゲーム実況ガイドライン一覧、条件からの絞り込みはゲーム実況許諾チェッカーにまとめています。
見つからないときの判断
会社の包括ガイドラインを探す
見つかったら対象範囲の記載まで読みます。自社タイトルでも対象外の例があります。
タイトル個別のガイドラインを探す
公式サイトのニュース欄やタイトル専用サイト。包括があっても個別が優先される会社があります。
発売元と著作権者が同じか確認する
違えば、ガイドラインを出している側に許諾する権限が無い可能性があります。
問い合わせ先があるか確認する
個別の問い合わせに回答しないと明記している会社もあります。 返事を前提にしないでください。
それでも見つからないなら
許諾が示されていない状態として扱います。扱うかどうかは、リスクを取る判断です。
着手前チェック
ガイドラインが見つけにくいタイトルで確認する7項目
- 会社の包括ガイドラインを探した
- タイトル名でも探した(会社名では出ない形式が3社ある)
- ガイドラインの対象範囲に、そのタイトルが含まれているか確認した
- 発売元と著作権者が同じか確認した
- 収益化について記載があるか確認した(無記載は許諾ではない)
- 撮影方法の条件(シェア機能のみか)を確認した
- 問い合わせ先の有無と、回答の方針を確認した
ゲームを選ぶ段階の全体的な手順は実況するゲームの選び方にまとめています。
よくある失敗
「禁止と書かれていないから自由」と考える
記載が無いのは、許諾が示されていない状態です。
会社のガイドラインを読んで対象範囲を確認しない
自社発売タイトルでも著作権を保有しておらず対象外、という例が実在します。
会社名で検索して見つからないから無いと判断する
タイトル単位でのみ公開している会社が3社あります。
問い合わせれば答えが来ると考える
個別の問い合わせには回答しないと明記している会社があります。
シェア機能以外で撮って同じ扱いだと考える
キャプチャーボード等での撮影について明示的な許諾が無い会社があります。
まとめ
- 状態は公開・対象外・不存在・タイトル単位のみの4つに分かれる
- フロム・ソフトウェアは一部タイトルの著作権を保有しておらずガイドラインの対象外としている
- ソニー・インタラクティブエンタテインメントはシェア機能等でのアップロードのみを許諾し、その他は控えるよう求めている
- 同社はキャプチャーボード等での撮影について明示的な許諾がなく、収益化についても記載がない
- 同社の対象はSIEが権利を有するゲームタイトルのみ
- 個別の問い合わせには回答しないと明記している会社がある
- 収録15社のうち4社はタイトル単位でのみガイドラインを公開しており、3社は許諾タイトル一覧に載っているものだけが対象
- 発売元と著作権者が一致しないことがある。インディーでは特に起こりやすい
- 「禁止されていない」は「許諾されている」ではない
よくある質問
ガイドラインが見つからないゲームは実況できませんか?
ガイドラインの「対象外」とはどういう意味ですか?
シェア機能で撮ればどのゲームでも大丈夫ですか?
分からないときは問い合わせればいいですか?
パブリッシャーとデベロッパーはどちらの規約を見ますか?
ガイドラインが会社全体で用意されていないこともありますか?
出典
本文中の数値・仕様は以下の一次情報を確認して記載しています。
- 公式 動画・画像の投稿に関するガイドライン (株式会社フロム・ソフトウェア) 2026年8月12日確認
- 公式 著作権について(日本) (株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント) 2026年8月12日確認
- 公式 ゲームプレイ映像利用に関するガイドライン (株式会社セガ) 2026年8月12日確認
- 公式 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号) (e-Gov 法令検索(デジタル庁)) 2026年8月13日確認