編集・演出

字幕ファイルの選び方|.srtでは位置もスタイルも指定できない

編集・演出

結論

字幕ファイルは形式ごとにできることが違います。よく使われるSubRip(.srt)についてYouTube公式は「スタイル情報(マークアップ)は認識されません」としており、位置の指定もできません。位置を指定したいならWebVTT(.vtt)、スタイルと位置の両方を扱うならTTML(.ttml)です。テロップを映像へ焼き込むのか、字幕として渡すのかは、この違いを知ってから決めてください。

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結論:形式によってできることが3段階に分かれる

「字幕は.srtで出す」で止まっている解説が多いのですが、YouTubeがサポートする形式はできることが違います。

段階 形式 スタイル 位置
基本 SubRip(.srt) / SubViewer(.sbv / .sub)/ MPsub / LRC / Videotron Lambda 認識されない 不可
中間 SAMI(.smi / .sami)/ RealText(.rt) 簡単なマークアップのみ 不可
中間 WebVTT(.vtt) 限定的
完全 TTML(.ttml)/ DFXP(.ttml / .dfxp)

.srt は「テキストを渡すだけ」の形式

YouTube公式はSubRipについて「スタイル情報(マークアップ)は認識されません」と明記しています。SubViewerも同様です。色を変える、太字にする、画面の上に出す、といった指定は一切通りません。 話した内容をテキストとして残すだけなら十分ですが、演出を字幕側で行う想定なら形式を変える必要があります。

位置を指定したいならWebVTT以上

公式の記載を並べます。

形式 公式の記載
SAMI / RealText 「簡単なマークアップのみ…ポジショニングはサポートされていません」
WebVTT(.vtt) ポジショニングはサポートされています
TTML(.ttml) スタイルとポジショニングはサポートされています
DFXP(.dfxp) TTMLとして解釈される

編集ソフトから書き出す形式は、この判断のあとに決めます。 先にソフトの都合で.srtを選ぶと、位置の指定が必要になった時点でやり直しになります。

放送用の形式も受け付けている

テレビ番組と同じ見た目にしたい場合の選択肢です。公式はCEA-608またはEBU-STLの規格にもとづく形式をサポートしています。

拡張子 備考
.scc(Scenarist Closed Caption) YouTubeが推奨している形式として挙げられている
.stl EBU-STL
.tds / .cin / .asc / .cap 放送用の各種形式

ゲーム実況で必要になる場面は多くありませんが、選択肢として存在します。

字幕を付ける方法は4通り

方法 内容 向いている場面
ファイルのアップロード テキストとタイムスタンプを含むファイルを選ぶ 編集ソフトで書き出す場合
自動同期 テキストや文字起こしを入れると、YouTubeがタイミングを合わせる 台本がある場合
手動入力 動画を再生しながら入力する。タイミングが自動で設定される 短い動画
自動字幕起こし YouTubeの音声認識を使う。自動的に公開される 補助として

台本を用意して収録しているなら、自動同期が最も効率的です。 原稿をそのまま流用でき、タイミング合わせが不要になります。

自動字幕起こしに任せきりにしない

公式の記載です。

クリエイターの方には、まず専門サービスを利用した字幕の作成をおすすめしています

そして、自動字幕起こしが正しく機能しない条件も公開されています。

条件 編集で直せるか
間違った発音、アクセント、方言、雑音 収録側の問題
複数の人が同時に話していて音声が重なっている 収録側の問題。編集では分離できない
複数の言語が同時に話されている 収録側
動画の音質が悪い 収録側
動画の冒頭で無音状態が長く続いている 編集で直せる(冒頭をカットする)

このうち編集で対処できるのは最後の1つだけです。 冒頭の無音は、カット編集で削れば条件から外れます。収録段階での対策は実況の話し方にまとめています。

テロップと字幕は役割が違う

映像に焼き込むテロップと、字幕ファイルとして渡すものは別物です。

公式は字幕の意義を「聴覚に障がいのある方や外国の方など、より多くの視聴者に動画を楽しんでもらえます」としています。両方を併用する構成が現実的です。

編集で押さえる他の仕様

字幕以外にも、受け取る側の仕様は決まっています。

項目 仕様
チャプターの最短の長さ 10秒(3つ以上・最初は00:00)
サムネイルの上限 パソコンから50MB、モバイルから2MB
視聴者維持率のイントロ 最初の30秒が計測区間
ショートの長さ 最大3分、アップロードの最大解像度は1080p

チャプターを入れるなら、カット編集の段階で区切りを作っておく必要があります。 10秒未満の区切りはチャプターにできません。サムネイルの仕様はサムネイルの仕様と作り方、ショートの扱いはショート動画の使い方にまとめました。

書き出す前に決める8項目

  • 字幕で位置を指定する必要があるか決めた
  • 必要ならWebVTT(.vtt)以上の形式を選んだ
  • スタイルも指定するならTTML(.ttml)を選んだ
  • 台本がある場合、自動同期に流用できる形で保存した
  • 冒頭の無音をカットした(自動字幕が機能しない条件のひとつ)
  • チャプターを入れるなら、各区切りが10秒以上ある
  • 焼き込みテロップと字幕ファイルの役割を分けた
  • サムネイルがアップロード元の上限(PC 50MB / モバイル 2MB)に収まっている

よくある失敗

.srt で位置を指定しようとする

SubRip はスタイル情報が認識されず、位置も指定できません。

編集ソフトの都合で形式を先に決める

必要な機能から形式を選び、そのあとで書き出し方法を決めます。

自動字幕起こしに任せきりにする

公式は専門サービスによる作成をすすめています。

冒頭を無音のまま残す

自動字幕起こしが機能しない条件です。カットで解消できます。

焼き込みテロップだけで済ませる

テキストとして残らず、視聴者がオフにもできません。

まとめ

  • 字幕形式はできることが3段階に分かれる
  • SubRip(.srt)はスタイルが認識されず、位置も指定できない
  • WebVTT(.vtt)は位置をサポートTTML(.ttml)はスタイルと位置の両方をサポート
  • SAMI・RealText は簡単なマークアップのみで位置は不可
  • 放送用は CEA-608 / EBU-STL に対応。.scc はYouTubeが推奨
  • 字幕の付け方は4通り。台本があるなら自動同期が効く
  • 公式は専門サービスによる字幕作成をすすめている
  • 自動字幕が機能しない条件のうち、編集で直せるのは冒頭の無音だけ
  • チャプターは最短10秒。カット編集の段階で区切りを作る
  • サムネイルの上限はPC 50MB / モバイル 2MB

よくある質問

字幕は.srtで出せば十分ですか?
用途によります。YouTube公式はSubRip(.srt)を基本的な形式に分類し、「スタイル情報(マークアップ)は認識されません」としています。位置の指定もできません。話した内容をテキストとして残すだけなら十分ですが、画面のどこに出すか、どう装飾するかを指定したい場合は別の形式が要ります。
位置を指定できる形式はどれですか?
WebVTT(.vtt)とTTML(.ttml / .dfxp)です。公式はWebVTTについて「ポジショニングはサポートされています」とし、TTMLについては「スタイルとポジショニングはサポートされています」としています。SAMI(.smi / .sami)とRealText(.rt)は簡単なマークアップのみで、ポジショニングはサポートされていません。
放送用の字幕形式も使えますか?
使えます。公式はCEA-608またはEBU-STLの規格にもとづく形式をサポートしており、テレビ番組のような見た目になるとしています。拡張子は.scc・.stl・.tds・.cin・.asc などです。このうちScenarist Closed Caption(.scc)はYouTubeが推奨している形式として挙げられています。
字幕を付ける方法は何通りありますか?
4通りです。字幕ファイルのアップロード、テキストや文字起こしを入れて自動でタイミングを合わせる自動同期、動画を再生しながらの手動入力、そしてYouTubeの音声認識による自動字幕起こしです。台本を用意して収録しているなら、その原稿をそのまま自動同期に流用できます。
自動字幕起こしに任せてはいけませんか?
公式は「クリエイターの方には、まず専門サービスを利用した字幕の作成をおすすめしています」としています。また自動字幕起こしが正しく機能しない条件として、雑音、複数人の同時発話、音質の悪さ、そして動画の冒頭で無音状態が長く続くことを挙げています。収録側の条件が悪ければ、そもそも認識されません。
テロップは映像に焼き込むべきですか?
目的で分かれます。焼き込んだテロップは演出として自由に作れますが、テキストとしては残らず、視聴者が消すこともできません。字幕ファイルとして渡せば、視聴者側でオンオフでき、検索やアクセシビリティにも効きます。両方を併用する構成が現実的です。

出典

本文中の数値・仕様は以下の一次情報を確認して記載しています。

  1. 公式 サポートされる字幕ファイル - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認
  2. 公式 字幕を追加する - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認
  3. 公式 自動字幕起こし機能を使用する - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認
  4. 公式 動画のチャプター - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認