字幕ファイルの選び方|.srtでは位置もスタイルも指定できない
結論
字幕ファイルは形式ごとにできることが違います。よく使われるSubRip(.srt)についてYouTube公式は「スタイル情報(マークアップ)は認識されません」としており、位置の指定もできません。位置を指定したいならWebVTT(.vtt)、スタイルと位置の両方を扱うならTTML(.ttml)です。テロップを映像へ焼き込むのか、字幕として渡すのかは、この違いを知ってから決めてください。
- 出典
- 4件
- うち公式 4 件
- 表・図解
- 9個
- 独自に作成
- 数値の記述
- 15箇所
- 単位つきで明記
- 関連記事へのリンク
- 3本
- サイト内
目次
結論:形式によってできることが3段階に分かれる
「字幕は.srtで出す」で止まっている解説が多いのですが、YouTubeがサポートする形式はできることが違います。
| 段階 | 形式 | スタイル | 位置 |
|---|---|---|---|
| 基本 | SubRip(.srt) / SubViewer(.sbv / .sub)/ MPsub / LRC / Videotron Lambda | 認識されない | 不可 |
| 中間 | SAMI(.smi / .sami)/ RealText(.rt) | 簡単なマークアップのみ | 不可 |
| 中間 | WebVTT(.vtt) | 限定的 | 可 |
| 完全 | TTML(.ttml)/ DFXP(.ttml / .dfxp) | 可 | 可 |
.srt は「テキストを渡すだけ」の形式
YouTube公式はSubRipについて「スタイル情報(マークアップ)は認識されません」と明記しています。SubViewerも同様です。色を変える、太字にする、画面の上に出す、といった指定は一切通りません。 話した内容をテキストとして残すだけなら十分ですが、演出を字幕側で行う想定なら形式を変える必要があります。
位置を指定したいならWebVTT以上
公式の記載を並べます。
| 形式 | 公式の記載 |
|---|---|
| SAMI / RealText | 「簡単なマークアップのみ…ポジショニングはサポートされていません」 |
| WebVTT(.vtt) | 「ポジショニングはサポートされています」 |
| TTML(.ttml) | 「スタイルとポジショニングはサポートされています」 |
| DFXP(.dfxp) | TTMLとして解釈される |
編集ソフトから書き出す形式は、この判断のあとに決めます。 先にソフトの都合で.srtを選ぶと、位置の指定が必要になった時点でやり直しになります。
放送用の形式も受け付けている
テレビ番組と同じ見た目にしたい場合の選択肢です。公式はCEA-608またはEBU-STLの規格にもとづく形式をサポートしています。
| 拡張子 | 備考 |
|---|---|
| .scc(Scenarist Closed Caption) | YouTubeが推奨している形式として挙げられている |
| .stl | EBU-STL |
| .tds / .cin / .asc / .cap | 放送用の各種形式 |
ゲーム実況で必要になる場面は多くありませんが、選択肢として存在します。
字幕を付ける方法は4通り
| 方法 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ファイルのアップロード | テキストとタイムスタンプを含むファイルを選ぶ | 編集ソフトで書き出す場合 |
| 自動同期 | テキストや文字起こしを入れると、YouTubeがタイミングを合わせる | 台本がある場合 |
| 手動入力 | 動画を再生しながら入力する。タイミングが自動で設定される | 短い動画 |
| 自動字幕起こし | YouTubeの音声認識を使う。自動的に公開される | 補助として |
台本を用意して収録しているなら、自動同期が最も効率的です。 原稿をそのまま流用でき、タイミング合わせが不要になります。
自動字幕起こしに任せきりにしない
公式の記載です。
クリエイターの方には、まず専門サービスを利用した字幕の作成をおすすめしています
そして、自動字幕起こしが正しく機能しない条件も公開されています。
| 条件 | 編集で直せるか |
|---|---|
| 間違った発音、アクセント、方言、雑音 | 収録側の問題 |
| 複数の人が同時に話していて音声が重なっている | 収録側の問題。編集では分離できない |
| 複数の言語が同時に話されている | 収録側 |
| 動画の音質が悪い | 収録側 |
| 動画の冒頭で無音状態が長く続いている | 編集で直せる(冒頭をカットする) |
このうち編集で対処できるのは最後の1つだけです。 冒頭の無音は、カット編集で削れば条件から外れます。収録段階での対策は実況の話し方にまとめています。
テロップと字幕は役割が違う
映像に焼き込むテロップと、字幕ファイルとして渡すものは別物です。
焼き込みテロップと字幕ファイル
← 演出到達 →
公式は字幕の意義を「聴覚に障がいのある方や外国の方など、より多くの視聴者に動画を楽しんでもらえます」としています。両方を併用する構成が現実的です。
編集で押さえる他の仕様
字幕以外にも、受け取る側の仕様は決まっています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| チャプターの最短の長さ | 10秒(3つ以上・最初は00:00) |
| サムネイルの上限 | パソコンから50MB、モバイルから2MB |
| 視聴者維持率のイントロ | 最初の30秒が計測区間 |
| ショートの長さ | 最大3分、アップロードの最大解像度は1080p |
チャプターを入れるなら、カット編集の段階で区切りを作っておく必要があります。 10秒未満の区切りはチャプターにできません。サムネイルの仕様はサムネイルの仕様と作り方、ショートの扱いはショート動画の使い方にまとめました。
書き出す前に決める8項目
- 字幕で位置を指定する必要があるか決めた
- 必要ならWebVTT(.vtt)以上の形式を選んだ
- スタイルも指定するならTTML(.ttml)を選んだ
- 台本がある場合、自動同期に流用できる形で保存した
- 冒頭の無音をカットした(自動字幕が機能しない条件のひとつ)
- チャプターを入れるなら、各区切りが10秒以上ある
- 焼き込みテロップと字幕ファイルの役割を分けた
- サムネイルがアップロード元の上限(PC 50MB / モバイル 2MB)に収まっている
よくある失敗
.srt で位置を指定しようとする
SubRip はスタイル情報が認識されず、位置も指定できません。
編集ソフトの都合で形式を先に決める
必要な機能から形式を選び、そのあとで書き出し方法を決めます。
自動字幕起こしに任せきりにする
公式は専門サービスによる作成をすすめています。
冒頭を無音のまま残す
自動字幕起こしが機能しない条件です。カットで解消できます。
焼き込みテロップだけで済ませる
テキストとして残らず、視聴者がオフにもできません。
まとめ
- 字幕形式はできることが3段階に分かれる
- SubRip(.srt)はスタイルが認識されず、位置も指定できない
- WebVTT(.vtt)は位置をサポート、TTML(.ttml)はスタイルと位置の両方をサポート
- SAMI・RealText は簡単なマークアップのみで位置は不可
- 放送用は CEA-608 / EBU-STL に対応。.scc はYouTubeが推奨
- 字幕の付け方は4通り。台本があるなら自動同期が効く
- 公式は専門サービスによる字幕作成をすすめている
- 自動字幕が機能しない条件のうち、編集で直せるのは冒頭の無音だけ
- チャプターは最短10秒。カット編集の段階で区切りを作る
- サムネイルの上限はPC 50MB / モバイル 2MB
よくある質問
字幕は.srtで出せば十分ですか?
位置を指定できる形式はどれですか?
放送用の字幕形式も使えますか?
字幕を付ける方法は何通りありますか?
自動字幕起こしに任せてはいけませんか?
テロップは映像に焼き込むべきですか?
出典
本文中の数値・仕様は以下の一次情報を確認して記載しています。
- 公式 サポートされる字幕ファイル - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認
- 公式 字幕を追加する - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認
- 公式 自動字幕起こし機能を使用する - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認
- 公式 動画のチャプター - YouTube ヘルプ (Google) 2026年8月13日確認